職場でイライラが止まらなくなったときに読んでほしい『職場の理不尽に怒らずおだやかに働く技術』

読書
記事の中にPRを含む場合がありますが、らっこが自分で買ったもの、良いと思ったものを紹介しています。

こんにちは。学び好きワーママのらっこです。

年間100冊くらい本を読んでいます。

読む本はビジネス系から漫画まで、わりと幅広いです。

このブログでは心に残った本をピックアップして感想とおすすめポイントを書いています。

今日は、怒りについての本です。

毎日働いていると、「くっそ、ムカつく!」とか、「理不尽すぎる」と感じることってありませんか?

そんなふうに職場でイライラが止まらなくなったときに読んでほしい本を紹介します。

この本は私自身がひとつ前の職場の色々な理不尽に対してイライラが止まらなくなってモチベーションが下がりまくっていた時代(3年前くらい)に買った本です。

当時はけっこうお世話になりました。トイレに置いて読んでました。笑

『職場の理不尽に怒らずおだやかに働く技術』 横山 信治 著 | 秀和システム

この本が面白いのは、著者の横山さん自身が上司にブチ切れして、左遷されて鬱になって退職して(お高校生のお子さんがいるのに!)、、という痛い経験をしているところです。

この横山さん、課内でナンバーワンの営業成績を収めてヤル気満々のときに上司に呼び出されて、「お前、いい気になるな。」と怒られてしまいます。

でも当時、短気だった横山さんは我慢できず、カッとなって心の中の言葉を口に出してしまうのです。

「いいですね、課長は。何もせずに、言いたいこと言えばいいんだから」

. . ヒエエ~~~ 

言っちゃったよ!! (;・∀・)

その後の詳細はぜひ本を読んでいただければと思いますが、一度は上司に言ってやりたいことを口に出してみると、こういう風になるんだな、というのを読んで怖さを覚えました。

カッとなって心のうちを吐き出してもいいことなんてひとつもないんだな

っていうのが正直な感想です。

「人の振り見て我が振り直せ」とはこのことだなとしみじみ思いました。

私自身も結構カッとなりやすいタイプなんですけど、頭に血が上ったときにはこの横山さんの本のことを思い出して、気持ちを落ち着けています。

ただその後、横山さんは4人でスタートした会社(SBIモーゲージ)を上場まで導き、現在は独立して株式会社オフィス・フォー・ユーの代表取締役をされています。

元落語家(しかも最年少落語家)いうユニークな肩書をお持ちで、なんと鶴瓶さんの兄弟子だそうです。

この本の内容は、もともとは怒りっぽく、どん底も成功も経験されている方が書いているからこそ響くなと感じました。

それと引用している例が実にリアルで「わかるわー」となるので、自分ごとに置き換えやすいです。

本の中で心に残ったポイント3つと、そこからの自分なりの学びを簡単に書いていきます。

特に職場でのイライラを持て余している方の参考になれば嬉しいです。

怒りの正体は考え方の違いから来ていることを認識するべし

だれもが24時間起きている間ずっと自分のことばかりを考えています。

そして誰もが「自分は正しい」と思っています。

それに加えて、それぞれが大切にしている価値観も違います。

だからこそ、人と人とが関わると、怒りという感情が生まれやすいのです。

本の中の例がすごくわかりやすいので参照しますね。

上司と部下が待ち合わせをしています。

上司(横山さん)は集合時間の10分前に着きました。

部下は集合時間の2分前に着きました。

このとき、横山さんは怒りを感じます。

部下はちゃんと集合時間の前についているのに、なんで?と思うかもしれませんが、横山さんの中にはこんなふたつの価値観があったからなんです。

①社会人は、集合時間の10分前には集合するべき

②部下は上司よりも早く集合場所に来るべき

こんな価値観があるからこそ、それにそぐわないことを部下がやったというだけで、勝手に怒りを覚えているわけです。

(正直こういう上司がいたらめんどくさいなと思ってしまう)

けど、ここで大切なのは、この例そのものじゃなくて、人は誰しも自分なりの価値観を持っている全然違う価値観を持っているということ。

他人が何の悪気もなくしたことに対しても、勝手に怒りを抱いてしまうことがある、ということ知ることです。

いま自分は怒りの感情を抱いているが、。でもこれは自分が大切にしたい価値観と相手の価値観がずれているからだ、とまず知ること。

そのうえで、社会人のルールとして、あるいは倫理的に、相手にきちんと言う必要があれば相手に言えばよいし、必要がないなら「相手と自分の価値観が違うんだな」と認識するだけでよいのです。

自分の価値観に合わないことをしたからと不機嫌になったり、相手を「ないわー」と思うことは、百害あって一利なし。

人がそれぞれ大切にしている価値観は違うということは、常に心に留めておきたい視点です。

怒りは二次感情。一次感情は何なんだろう?と考える癖をつけるべし

怒りという感情は「二次感情」で、実はその底辺に「一次感情」が潜んでいることをご存知ですか?

著者の例を引用してみます。

例えば、あなたが上司に理不尽なことを指示されてイライラしたとします。

このイライラは”二次感情”です。

実はこのイライラの底辺に、「私のことを軽く見ているのでは」という疑いとか「私のことを理解してくれていない」という不安の感情があります。

このイライラの根っこ部分にある感情を一次感情と呼びます。

職場でどうしようもない怒りが湧き出てきてしまったら、「一次感情はなんだろう?」と探ってみるだけで、その後の感情の動き(反応)を変えることができます。

一次感情を知ることのメリットはふたつあります。

ひとつめのメリットはこれです。

考えることで、間を取ることができる

激しい怒りの感情は、一瞬でピークを迎えます。

でもここで、感情を爆発させる前に一瞬だけ間を取ることで、ピークをコントロールできます。

ふたつめのメリットはこれです。

思考をコントロールできる

たとえば「今の怒りは、相手の行動ではなく、不安から来ているものだ」と認識することで、怒りの感情を冷静に分析できるようになります。

私はこの本を読んでから、なんかイライラするとか、気持ちがモヤモヤするというときには、自分の感情を紙に書きなぐるようにしています。(詳細はこちらに書いてあります)

私の経験上、頭の中がぐちゃぐちゃしているときって、色んなことを考えているように感じても、実は何度も同じようなことを考えているだけで、堂々巡りしていることが多いです。

そこで感情をばーっと紙に書き出してみると、自分の頭の中が今どんな感情に支配されてるのかがわかってきます。

たとえば、職場の人のささいな一言に怒りが止まらなかったとしたら、そのときの自分の思いを紙に書きなぐりながら「自分の一次感情はなんだろう」と考えてみます。

あるとき、15分くらい無心でノートに醜い感情を書きなぐっていたら、やたらと「疲れた」という文字が出てくることに気づきました。

あと「ゆっくりしたい」とかも書いていました。

それで、今の自分の怒りの根源は、実は「疲れ」が原因だったんだということに気づけます。

職場の人のささいな一言に怒りが湧いたことは事実だったとしても、一次感情はその職場の人は全然関係なかったりします。

私の場合は、怒りの根源は2パターンあります。

ひとつめは単純に「疲れ」のケース。これが3割くらい。

もうひとつは「将来への不安」「焦り」というケース。これが7割くらいです。

前者の場合、疲れが原因なら休めばいいので、対処方法は簡単です。

後者の場合、「将来への不安」や「焦り」が原因の場合は、ちょっとさらにさらに深堀りしていく必要があります。

「なぜそんなに不安なのか」とか「何に焦りを感じているのか」とかね。

これはこれで労力のいる作業なんですけど、気が付くともう怒りの感情は消えてしまっていて、「じゃあ、どうしたらよいのか」という前向きな思考に変わっているのです。

怒りという感情をいつまでも持っていても、自分の心が疲れるだけです。

怒り続けているよりは、「自分の今の怒りの一次感情は何なんだろう?」と考えてみることをおすすめします。

特定の人への怒りは「劣等感」から来ている

相手に特に何をされたわけでもないのになんだかムカつく、みたいな場合には、相手に何かしら「劣等感」を持っている、という内容です。

本の中では「自分よりデキる後輩になんだか腹が立つ」という例が出てきています。

そういうケース、実際の生活にもあるんじゃないでしょうか。

なんかムカつく、という感情の根底には、何かしらの劣等感が潜んでいるものです。

私にも似たような出来事があったので紹介しますね。

私は、昔の会社の同期がすごく苦手で、その子に対してよく苛立っていました。

彼女は物言いがとにかくキツくて、先輩からも「あいつ生意気だな」と言われたりしている人でした。

当時の私は「私を下に見ているから、あんなひどい物言いをするんだ」とか、「先輩に対してあんな態度、口のきき方をするなんて人としてありえない」とイライラしていたものでした。

でも彼女との交際を断って10年ほど経ってみて、この本を読んでみたときにふと、「私は彼女が羨ましかったのかもしれない」と思うようになりました。

私は人から嫌われたくないと思って無意識のうちに「ものわかりのいい子」を演じてしまうタイプでした。

「相手がこう言ってほしそうだからこう言おう」とか、本当は疲れていて休みたくても、飲み会に誘われたら行ってしまったりとか。

そんな私にとって、先輩だろうと媚びずに自分のスタイルを貫き通すという彼女が実は眩しかったのかもしれない。

自分にできないことをやっているから憎らしかったのかも?と気づきました。

かといって、彼女のようにずけずけした物言いで人を傷つける人にはなりたくないんですけどね。

でも自分の中に「どう思われるかを気にしないでいたい自分」がいるんだと知れたことは大きな気づきでした。

こんなふうに、自分のなかの怒りの感情をひも解くと、それまで気づかなかった自分の感情に気づくことができます。

もちろん、毎日の生活のなかで、怒らずに穏やかでいられるのが平和ですが、怒りを感じてしまったときには、「この怒りから何か学びや気づきがないかな?」という視点で考えてみると、前向きな思考になります。

以上、私がこの本を読んで気になったポイントと、感想のまとめでした。

本はこんな感じの章立てになっています。

第1章 腹が立ったら、最初にやる10の習慣

第2章 怒りをコントロールする10の技術

第3章 職場でイライラしない8つの技術

第4章 怒りを仕事に生かす7つの技術

第5章 どうしても我慢できない怒りを鎮める7つのトレーニング

どの章、その項目から読んでもよいので、目の届くところに置いておいて、カッとしたら読んでみる、という感じにしてもよいかもしれません。

一時期、前職でのストレスが多かったときにはトイレにこもってこの本を読んでいたこともありましたが笑、今はだいぶ怒りの感情との付き合い方がうまくできるようになってきました。

もちろんまだまだ日常的にイライラすることはありますが、前のように「怒って寝れない」とか「何日も苛立ちが収まらない」ということはほとんどなくなりました。

感情に任せて何もかも失う覚悟で怒りを表現することもできますが、そんなことばかりしていられないのが社会人ですよね。

怒りとうまく付き合うヒントが欲しいなと思ったら、ぜひ読んでみてください。

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