心をほぐしたいときに読みたい、ヨシタケシンスケの『思わず考えちゃう』

読書
記事の中にPRを含む場合がありますが、らっこが自分で買ったもの、良いと思ったものを紹介しています。

こんにちは。読書好きワーママのらっこです。

本は、おそらく年間100冊くらい読んでいます。

ビジネス本から小説、絵本まで、幅広く読みます。

このブログでは、ワーママにぜひ読んでほしいおすすめ本について書いています。

今日の一冊は、ヨシタケシンスケさんの『思わず考えちゃう』です。

思わず考えちゃう|ヨシタケシンスケ

ヨシタケシンスケさんと言えば、本屋さんでは著書が軒並み平積み状態の、売れっ子絵本作家さんですよね。

独特な視点でのストーリーが面白くて、読んでいると「すごいなあ、よく思いつくな」と、ため息が出てきます。

デビュー作の『りんごかもしれない』『もうぬげない』など、保育園にもヨシタケさんの絵本が何冊もあり、子どもたちのハートをがっちりつかんでいます。

ちなみに息子は『おしっこちょっぴりもれたろう』が好きです。

で。 今回紹介したいこちらの本は、絵本ではなくて、大人向けのエッセイです。

30代も半ばになってきて、

自分にとっての幸せってなんだろう?とか、

自分はこれからどう生きたいんだろう?とか、

かつてなく考えるようになりました。

それでここ1年ほど、幸せについての本、心理学的な本、ストレス対処に関しての本、キラキラ輝いてみえる人達の自伝など、心にひっかかった本を片っ端から読み漁っていたんです。

そんな中で、ふとジャケ買いしたのがこの本。

この帯の「あわよくば、生きるヒントに。」ってめっちゃ気になりません?

帯で本を買うことはあまりないんですけど、この本は完全に帯買いでした。

でも読んでみたら、30代半ばの今の自分の心に一番ささりました。

このエッセイは、絵本作家であるヨシタケシンスケさんが日常的に書き溜めているスケッチやメモを書籍化したものです。

講演会などで時間が余ってどうしようと思って、この本に載っているようなスケッチを紹介したら好評だったそうで、書籍化につながったそうです。笑

『思わず考えちゃう』が心にささった理由

どうしてこんなに心にささったんだろうなあ、というのを振り返って分析してみたところ、ふたつありました。

ささやかなんだけど、なんかクスッとしちゃうことがたくさん書かれている

ひとつめはこれです。

ささやかなんだけど、なんかクスッとしちゃうようなこと、がたくさん書いてあったこと。

たとえば、抱っこされている子どもの靴がポロっと落ちる瞬間が美しかった、とか。

母親からしてみたら、抱っこしている子どもの靴が脱げてたとか、もう本当に想像するだけでストレスMAXな出来事だとは思うんですけど

(えっ!?どこで落としたの?探しに戻らなきゃ、、みたいな)

けど外側の人から見たら、それって微笑ましい瞬間なんだな、と。

そしてその瞬間って、他人事としてみたら美しいんだな、と。

当事者の視点ではなかなか思いつかないことが書いてあります。

そして自分とはちょっと違った視点から書かれているからこそ面白いし、クスッととしちゃう、みたいな。

ワーママは日常的に時間に追われている人が多いと思います。

仕事に、家事に、育児に、いつも何かに追い詰められています。

それで無意識のうちに心も体も緊張して、凝り固まってしまっているもの。

そんな日常を送っているワーママだからこそ、「クスッ」とする瞬間が必要だし、ある意味「どうでもいいこと」に触れて、心をほぐす必要があると思います。

この一冊は、そんな日常を忙しく過ごすワーママさんにぜひ読んでほしい。

トイレとかキッチンのレシピ本が入っている棚とかに置いて、疲れたなあと思ったら手を伸ばしてほしいなと思います。

クリエイティブさが求められる仕事をしている人の考え方が学べたこと

ふたつめはこれです。

クリエイティブさが求められる仕事をしている人の考え方が学べたこと。

文章を書いたり、絵を描いたり、音楽を作ったり、なにか作品を作ったり、何かを生み出す仕事をしている人って、ひらめきがものを言う世界じゃないですか。

言ってしまえば、自分の中に湧き出てくるアイデアがなくなったら終わりな世界。

たとえば商品企画やイベント企画をする仕事もクリエイティブではあるけど、

でもそういう仕事よりも、ずっとシビアで、後のない仕事だと思うんです。すごくしんどいと思う。

だからこそ、こういう仕事をしているすべての人を尊敬しています。

これさえやればいいみたいに仕事が決まっていたほうが、楽は楽じゃないですか。

私自身はルーチン業務だけをするのはそんなに好きじゃないけど、頭が疲れているときとかは正直いって「あー、ルーチンって楽でいいな」って思います。

でも100%クリエイティブな仕事をしている人って、そういう逃げられる瞬間ってたぶん一瞬もないはずなんですよ。

そういう人が日々どんなことを考えているのか、煮詰まったときにどういう風に気持ちを切り替えているのかに興味があったので、すごく面白く読むことができました。

らっこの独断と偏見セレクト 『思わず考えちゃう』の中の名言3選

心配事を吸わせる紙 (P.30)

あぶらとり紙みたいに、おでこにピトッとすると心配事を吸い取ってくれるような紙があったらいいんじゃないかっていう話が書いてあります。

で、私が名言だなと思ったのがこれ。

お風呂入ると、スッキリするじゃないですか。

思ったのは、嫌な気持ちとかっていうのは、実は、身体の内側じゃなくて、外側に付く性質があるうんじゃないかと

お風呂入って身体を洗って、外側をリセットすると、気持ちがスッキリするというのは、単に、肉体的な汚れを落とすという意味だけじゃないんではと。

私この表現を読んだとき、心の中のモヤモヤに、サッと光が差し込んだような感覚になったんです。

嫌なことがあったり、凹んでしまったりしたときの自分って、「ストレス耐性を高めなきゃ」とか「成長しなきゃ」って、自分を追い詰める方向に行ってしまっていたんです。

問題は心の中にあって、その問題をうまく解決できるようにならないといけないって、思い込んでいたんです。

でもこの文章を読んだときに、「たしかにお風呂入ると、気持ちがスッキリするなあ」って思って。

自分がすごく解決が難しいと思っていることって、もしかしたら実はそんな大したことじゃないのかも?

お風呂に入ればスッキリするかも?と思えたんです。

で、実際にお風呂に入ってみたら「なんか、スッキリした気がする」と、なったんです。 なんだ、気持ちをスッキリさせるって、こんな簡単なことだったのかと。

物事を難しく考えすぎているような気がする。

自分を嫌な気持ちにさせることは本当に体の外側につくもののような気がしてきたぞ、と。

それから、嫌なことがあっても、不安なことがあっても、とりあえずお風呂に入ってみればスッキリするかな?と思えるようになりました。

それで実際にお風呂に入ってみたら気持ちがスッキリしてきて。

もちろんこれは思い込みなんですけど、すごくいい思い込みの方法を教えてもらったぞと。

心理学の本やストレス対処法の本を読んでも解決できなかったことを、このエッセイの中にあった一言に、あっさり解決してもらってしまったのです。

ということで、名言入りしました。

色々な出来事を真面目に考えがちで悩みがちな私みたいなタイプのママさんに、お風呂、ぜひおすすめしたい。

嫌なことは、身体の外側につくんですよ。(しつこい)

日々、生きていると、その99%は「どうでもいいこと」(P.53)

エッセイ本文ではなくて、章と章の間にある差し込みマンガみたいなところの文章に、「あーこれは名言だな」と思ったフレーズがあったので紹介します。

このスケッチをなぜ続けているのか、についての理由を説明している場面です。

日々、生きていると、その99%は「どうでもいいこと」であって、いちいちおぼえている意味も価値も無いのですが、

その「どうでもいいこと」の中に、実は「その人らしさ」とか「人間らしさ」なんかがにじみ出ているハズで、

そのカケラをコレクションすることで、見えてくるものも何かあるんじゃないか、というボンヤリした期待があるのです。

ワーママとして忙しく毎日を過ごしていると、目の前のことをこなすのに精いっぱいで、覚えていなきゃいけないことを覚えていることすら難しいくらいです。

そんな日々の中で、ふっと頭に浮かんできた「どうでもいいこと」って、すぐ忘れてしまいがち。

でも、自分らしさとか、やっていて楽しいこととか、自分がこれからやりたいことって、そういう頭の中にふっと浮かんでくる一見どうでもいいようなことの積み重ねからできているはず。

そういうどうでもいいことを排除して生活していると、ある日突然、心がすっからかんになってしまうのです。

私も経験済みです。(参考:心がすっからかんになってみて、反省したこと。

だからこそ、他の誰に見せるわけじゃなくても、頭にはっと浮かんだことって、何らかの形で残しておいたほうがいい。そう考えるようになりました。

もともと思い付いたことはノートに書き出すタイプだったのですが、この本を読んで、より一層「一見どうでもいいこと」も書き留めておくようになりました。

そのときは「こんなどうでもいいこと書いて意味あるのかな?」って思うし、それを書いたことすら忘れてるんだけど、

ある日ふと、3か月後とか、1年後とかに、ふと役に立つ瞬間が来ます。

自分自身、実感しているところです。

忙しいとつい、1分1秒でも効率化しようとしてしまうかもしれませんが、ぜひ自分の頭の中に浮かんだ「どうでもいいこと」を大切にしていきたいな、と思えるようになるフレーズです。

このこどく感はきっと何かの役に立つ (P.102)

これは「第3章 ねむくなるまで考えちゃう」の中に入っています。

仕事についての考えが書かれている章です。

自分の人生は、無駄じゃなかったって思いたいわけですよね。

そこを逆に言うと、役に立たないって思いたくないってのもあるけど、役に立ててやるぞって、転んでもただでは起きてなるものかっていう何かそういうものも、やっぱり僕は人一倍あって。

孤独感だって、何か役立ててやる。もっと言うと、仕事にしてやる。

劣等感だったりとか、ねたみみたいな気持ちも、お金に替えて見せるみたいな(笑)、しょうもないプライドみたいなものがあるんです。

でも、やっぱりもやもやはもやもやで、そのときはもやもやしてる。

でも、そのもやもや感を「というわけで今日は一日もやもやしました」で終わらせたくない。

今日はもやもやしたけど、これは貯金として、ポイントとしてたまりましたとしたい。で、明日すごいやるよって、思いたい。

二、三か月後、それがちゃんと発酵して、ちゃんと何かアイデアになりますよ、だから今日のもやもやは、何も仕事してないみたいだけど、仕事したってことにできますよ。何か役に立ちますよ、って思っておかないと、その一日が終われない。

そういう単純な話でもあるんです。

表現する仕事をしている人にとって「何も生み出せなかった日」っていうのは、きっと焦りが強いんだろうなと。

だからこういうことを考えるんだろうなって、読みながら思ったんですけども。

どんな経験もネタにしてやる、何かに役立ててやるっていうハングリー精神は、見習いたいなと思いました。

もやもやすらも貯金と考えて発酵させてアイデアとして使おうっていう姿勢。発酵っていう言葉が良いなと。

もやもやしたり、うまくいかなかったときって時間を無駄にしてしまった気分になったりとか、回り道をしてしまった気がするものです。

もちろん無駄な経験なんてないし、どんな経験も自分の肥やしにはなっていくはず。

けど、無駄にしないためには、無駄にしてなるものかって思っておくことが必要なんだろうなと、ふと思ったのです。

無駄にしてなるものかって思ってはじめて、無駄っぽく感じた時間は発酵していくんじゃないかなって。

どんな経験からも何かを学び取ろうっていう意識を持って、毎日を過ごしていきたいなと思わせてもらった文章でした。

以上、らっこセレクトの名言3選でした。

どれか心にささる言葉はありましたでしょうか。

どなたかの参考になれば嬉しいなと思います。

ちなみに、このブログをここまで読んでくださった方は、おそらく読書好きな方かなと思うんですけども。

その方向けに、最近気づいたことを最後にひとつ書きます。

疲れたときは新しい本を読んじゃいけないなっていうこと。

(えっ!?当たり前じゃん!と思われた方、すみません。)

学び好きで成長欲求も強いと、どんどん新しい本を読んでいってしまうって人が多いんじゃないかと思うんですよ。

でも、疲れたときは新しいことに手を付けちゃダメです。

疲れているときは頭もちゃんと働いていないからインプットの精度が悪いし、より一層疲れるだけ。

疲れたときは、自分がこれまで触れてきた本の中で、一番元気をもらえたなっていう本を読み返すのが良いです。

疲れたときに読む用の、心をほぐしてくれる本の選択肢をいくつか持っておくのが理想だな、と、最近になってようやく気付きました。

パラパラとめくりながらエネルギーをチャージする、みたいな本。

今のところ私にとってこの本はそういう使い方に最適な本です。

「ふうっと一息つきたいときに読む」みたいな感じの位置づけ。

ちなみに我が家ではトイレに置いてあります。笑

クスッと笑える日常のひとコマから仕事論まで、ほどよいゆるさと独特な視点で書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。

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他にも心がほぐれる本を見つけたら、また更新していきます。

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