『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んで、人間関係を見直そうと思った。

読書
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こんにちは。らっこです。

2025年一発目の書籍紹介はこちらの本。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』| アーヒンジャー・インスティチュード著

先日、フリーランス仲間の友人で女性起業家の支援をされている人とお話をする機会をいただいたんですが、

その方から「らっこさんの次のステップの参考になると思う」と紹介いただいた本です。

年末のある晩に読み始めたら、止まらなくなってしまい。夢中で読み進めて、トータル2時間ちょっとで読み終わってしまいました。

この本の内容を端的にまとめると、

人間関係がうまくいかないのは「箱」の中に入っているせい

であり、

人間関係をうまくいかせるには、自分が「箱」から出るのが大事

っていう話です。

箱ってなんやねん。

と思われるかもですが、本を通して読んでみると「いや、まじで箱、大事だわ…」ってなりました。

この本の感想を読みたくてググったりもしたんですけど、あんまり感想を書いている人がいないんですよね。

その感じはわかるなあ、と思います。めちゃくちゃおもしろいんだけど感想としてまとめるのが難しいです。

そして身に覚えがありすぎて、感想を書こうとしようものなら自分の身を切り刻む感じになってしまって辛いし、自分のダメなところをさらけ出すことになるのでダブルで辛いです。笑

私は「た…たしかに!!」って何箇所もなったし、「ぐぬうううう痛い…でもその通りだし、私もそれ何回もやったことある…」ってなりました。

27万部も読まれていながら、あんまり感想ブログが出てこないのはそういうところに原因があるんじゃなかろうか。

2006年に出版されてからの2024年までの18年間で59刷されていて、日本で27万部、世界では150万部読まれているらしい。

本の帯によればGoogle、IBM、NIKEが研修で採用しているんだそう。

スゴッて感じです。実際問題、たしかに企業ですべての社員が箱から出た状態で働いたら、とんでもないパフォーマンスが出るんやろうなとは思います。

p.70のこの表現に首がもげるほど頷きました。

自分をあるがままの人間として見てもらえるとなると、頭の切れる人はさらに頭を働かせ、スキルを持った人はさらにそのスキルを発揮し、よく働く人はさらに懸命に働く

それでは、さくっとあらすじを書いておきましょう。

ざっくりあらすじ

本の構成はこんな感じ。

第1部 「箱」という名の自己欺瞞の世界

第2部 人はどのようにして箱に入るか

第3部 箱からどのようにして出るか

主人公は管理職として転職したばかりのトムさん。やる気メラメラだし、自分を優秀だと信じて疑っていません。

でも実態は部下の名前も覚えず、人を物として扱うような人。職場はもちろん家庭環境も最悪の状態です。

そんな彼に、会社の上司バドさんが丸一日の研修、通称「バドのミーティング」を行うというところから話が始まります。

バドさんとのミーティングの最初の一言、ビビりますよ。

君には問題がある。当社で成功したいのなら、その問題を解決しなくてはならない」

転職して2ヶ月のトムさん。朝早くから夜遅くまで働いて、会社にいい印象を与えようと懸命に努力しているときに、上司からこんなこと言われたら…頭が真っ白になりますよね。

でもトムさんはそのミーティングの中で、自分の振る舞いにどんな問題があったのか、どう変わっていけばいいのかを学んでいくことになります。

失敗した部下との関係構築から、ここ数年ずっと関係性がよくない奥さんと息子さんとの関係改善、過去の会社のどうしても許せない上司の捉え直しまで。

トムさんが自分の問題を突きつけられて、苦しいながらも実際に行動を起こしてみるとびっくりするくらいに人間関係が変わるというストーリーを読むことで、読者も疑似体験できるような流れになっています。

箱に入っていると、世界が歪む

問題のポイントは「箱」。

トムさんが自分的には仕事を頑張って成果もあげていると思っているのに、周りから見ると全然そんなことない状態を「箱の中に入っている」と表現します。

箱に入った状態というのは、自分に注意が向いていて、物事を自分の狭い視点からしか見られない状態。

「私は悪くない」と自分を正当化したり「あの人が悪いんだ」と他の人を責めたりと、物事の見方が歪んでいる状態のことです。

救いなのは、上司のバドさんも、新社長のケイトさんも、会長のルーさんも、みんな過去には箱に入っていたことが原因で手痛い失敗をしていること。

で大きな会社の社長をやっているような人でも、公私ともに内情はズタズタだったり、人間関係でひどい対応をしてきた経験があるそう。

でもそこから自分に問題があったのだと気づき、変わろうとしてコミュニケーションをとることで、人間関係を激変させることができたという例が紹介されています。

どのくらいの激変かというと、罪を犯して刑務所に入った実の子どもとの関係をも修復させられるレベル。だいぶすごいですよね。

個人的にいちばん衝撃を受けたのが第2部の「人はどのようにして箱に入るか」の部分でした。

本書のなかでは、人は自分の感情に背いたときに箱に入るのだと書かれています。

(自分の感情に背くことは「自分への裏切り」という言葉で表現されています。)

いったん自分の感情に背くと、自分への裏切りを正当化してくれる根拠になりそうなものの価値を、過大に評価するようになった。(p.129)

これは読んでいてドキッとしました。

相手が何もしていなくても、自分が自分を裏切ると、途端に自分を正当化し始める。相手を責めることで自分を守ろうとし始める現象が起こるんです。

この自分を正当化するために世界を歪めて見始めてしまうという現象も、世界を歪めて見ているという事実に自分では気づかないというのも、めちゃくちゃ怖いなと思いました。

振り返ってみると、私も過去にめっちゃ被害者意識いっぱいで周りに怒っていた時期がありました。

すべてを人のせいにして自分の落ち度を見て見ぬふりしようとしたり、「自分はこんなにやっているのにあの人は怠けている」と心の中で人を責めたりしていたり。

そういう気持ちって相手にも伝わってしまうんですよね。怒りでいっぱいの時期はめちゃくちゃ関係が悪かったです。

自分にも落ち度があったことを認めて、どんなに頑張っても至らないところがたくさんあるんだと謙虚になったうえで、

相手の立場に立とうとしたり、ひとりひとりと丁寧なコミュニケーションを取ろうとすることで関係性が改善していったことがありました。

あのときのことかなあ…などと、本を読みながら思い返していました。

会社などの組織では、ひとりが箱の中に入っていると、それが細菌のように伝染していって、組織のパフォーマンスを下げてしまう

世界中の会社でそういうことが起こっているんだと本の中には書かれています。

特に心に残ったフレーズ

個人的に特に心に残ったのはこのフレーズでした。

人間は、相手が自分のことをどう感じているか察知して、それに対して反応するんだ。(p.45)

相手の使っている言葉がたどたどしくても、相手の真剣な気持ちが伝わってきて、すごく嬉しいなと思った経験、ありませんか?

あるいはその逆で、口ではいいことを言ってるけど、実際はそう思っていないんだろうなっていうのを察してしまって、相手を信じることができなくなる、とか。

私もこの1年の仕事を振り返ってみると、熱量を持って本気で相手にぶつかっていった仕事はうまくいったなあ、と思うことがあったりして。

想いって伝わるんだろうな、熱意ってきっと相手を動かすんだろうな、と思ったりしました。

苦手な人との付き合い方を見直すきっかけに

なりませんでした!笑

Xでもたびたびつぶやいているんですが、最近の私、めちゃくちゃ苦手な人がいます。いや苦手というか嫌いです。大っ嫌い。

その特定の人との付き合い方に悩んでお金を払ってセッションを受けているほどです。

怒りのツイートはこのあたり↓

人間関係をうまくいかせるコツは箱から出ることだというのは、この本を読んでもすごくわかったし、心がけていきたいなと思っているのですが…

やっぱり嫌いなもんは嫌いです。笑

仕事上の付き合いとかで、働き続ける限り関わらないといけないような相手ならば頑張って仲良くしなきゃって思うかもしれないんですが…

いま私が苦手な人は、期間限定の付き合いで、この期間が終わったら関係が終わる人なんですよね。という状況だからか、関係改善を頑張るモチベーションが湧いてこないのが正直なところです。

むしろ既にこんなに不快なのになんでこっちが努力せにゃいかんのだと、この本を読み終わっても、いまだに思っています。(おい)

でも、少し前に読んだ『幸せになる勇気』の中で、喉に刺さった小骨のような感じで残っていた表現があったんですよね。

「そんなに聖人にはなれません、私は」と思ってしまったというか。

この本を読んでからは、その小骨感が少しましになりました。

「別に聖人にならなくても箱の外に出ることはできるかもしれんな」と思えるようになったので、ちょっと成長したかな?と思いたいところです。

この本を読んで私がやってみようと思ったこと

最後に、本を読んでこれからやってみようと思ったことを書いてみます。

自分の感情に背かないように努力をする

相手を物ではなく、集団でもなく、自分と同じひとりの人間だと思って見るように努める

ほかにもいろいろと紹介されていた内容はありますが、2025年現在の私が特に心がけたいと思うのはこのふたつ。

もう何年かしたら…上述したような人生最高レベルに嫌いな人に対しても力を貸せるような自分になっていられたらいいなと思います。

以上、仕事でもプライベートでも人間関係に悩んでいる人、よりよい人間関係を作るヒントを探している人におすすめです。

新しくリーダーをやることになった人にも参考になるはず。

今回、紹介した本はこちら

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』| アーヒンジャー・インスティチュード著

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