何度も読みたいクリスマス絵本『さむがりやのサンタ』

絵本
記事の中にPRを含む場合がありますが、らっこが自分で買ったもの、良いと思ったものを紹介しています。

少し前に図書館で借りた本が思いのほかヒットだったので思わずポチッてしまいました。こちらの本です。

さむがりやのサンタ | レイモンド・ブリッグズ著

福音館書店の世界傑作絵本シリーズにも選ばれている絵本です。

著者はイギリスの作家レイモンド・ブリッグズさん。1934年イギリス生まれ。国民的な絵本作家だそうです。

福音館書店の世界傑作絵本のリンクはこちら

この絵本は「本屋さんの絵本売り場で見たことあるな〜」くらいの印象だったんですけど、

図書館でたまたま手に取ったので借りて帰って、家でじっくり読んでみたら、めちゃくちゃ味わい深かったです。

まず絵が美しい。夜のイギリスの街並みも綺麗だし、サンタさんの生活の様子も細かいところまで描かれていて、読んでいて飽きません。

絵本の中身は、いかにもサンタさんって風貌のおじいちゃんが、クリスマス・イブの朝に起きてから寝るまでの間を描いた話なんですけどね。

絵本と聞いて思い浮かべるような「ひとつのページに一枚の絵」スタイルじゃなくて、漫画っぽい絵本なんです。

こんな感じ。

このサンタさん、とにかく愚痴が多い偏屈なおじいさんって感じです。笑

えー!サンタさんなんだから、もっと子ども達のためにとかって楽しそうにプレゼント配ってよ!って言いたくなっちゃう。

北極に住んでいるのに「さむい」「こごえちまった」と寒さが苦手だし。

「またクリスマスかあ」と言いながら起き、雪の予報にげんなりしながらソリに乗り。

サンタさんにどうぞって各家庭が準備している差し入れにも「ちぇっ、ジュースか」って言ったり。笑

お酒がおいてあると「けっこう、けっこう」って喜んで飲んだり。お酒が好きなのね、このサンタさんは。

1回目に読んだときの感想は「やたらと偏屈なおじいさんだな」だったし、「なんでこんな日本語訳にしたんだろう」とも思いました。

同じ日本語でも、もっと別の言葉にしたらここまでの偏屈感は出ないのにな〜って。

でも何度か読み返しているうちに考えを改めました。「このおじいさんは偏屈である必要があったんだな」って思ったんです。

絵本の中にはセリフがないコマも多くて、絵だけで何をしているのかを表現しています。

そこで描かれるひとつひとつの動作がとても丁寧で思わず見入ってしまうんですよね。

サンタさん、プレゼント配りの間に食べるおやつのサンドイッチも自分で作ります。紅茶も水筒に入れて持って行く。めっちゃマメ。

描かれた時代もあるんでしょうけど、やかんでお湯を沸かしていて、「美味しい紅茶がなによりだ」って言って美味しそうに飲む。

素直に「ああ、こういう丁寧な生活いいな〜」ってなります。こんなに味わって飲み物を飲んだのいつだっけ?とか思ったり。

そんなマメなおじいさんなのに、口から出る言葉は偏屈じじい感たっぷり。そのコントラストが絶妙なんですよ。

絵の中で特に私が気に入っているのは、サンタさんの目です。

絵本の最後のほうではプレゼント配りから帰ってきた後、サンタさんが自分でごちそうを作り、テーブルセッティングまでしてひとりで楽しみ、寝るところまでのシーンが描かれます。

オーブンに入れる前の骨付き肉のプレートを持っているときのニコニコした表情とか、

寝る前に湯たんぽを作るんですけど、湯たんぽにやかんのお湯を入れるときの注意深い目とか、

すっごく小さな目なのに、こんなに感情の変化を伝えられるんだーって、ちょっと感動しちゃったりね。

家ではいつも犬のポチと猫のクロと一緒。クロはいつもサンタさんの首のところに乗っています。

サンタ業はイヤイヤやっているように見えるけど、長旅から帰ってきたトナカイには、新しくて寝心地のいい藁を敷いてあげたり。

偏屈さの中に優しさがあって、口から出てくる言葉だけじゃないなってしみじみ思う。トータルでいいバランスを出してるなあって思いました。

クリスマスの日はひとりで過ごしていたけど、プレゼントももらっていて、たぶんこんな感じで周りの人とも付き合っているんだろうなって思いました。

娘はこの絵本をすっかり気に入ったし、私も細かいところをもっとじっくり見たいしで、ポチってしまいました。

手元に置いて長く読んでいきたいと思います。

いつか実は将来、絵本が読める児童館でも開きたいなと思ってるんですけど、クリスマスのシーズンにはこの本を置きたいなーって思います。英語版もほしいな。

皆さんもクリスマスにいかがですか?

さむがりやのサンタ | レイモンド・ブリッグズ著

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今日も一日お疲れさまでした!

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